始まりはいつも突然に

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「それよりも、高校生じゃない年齢に見られた事の方がショックなんだが……」 「いえ、確かに高校生っぽかったですけど。なにか場違いな感じだったので」 …………アイドルって仕事は、こんなにもネガティブになっていくもんなのか。なめてたなアイドル。 「おい、圭。もう車出すってよ」 遠くから頭がジグザグしてる人影がこっちに手招きしていた。……仁か。 「じゃあな、相島」 「はい、また」 そう言って相島と別れた後、仁、一輝と共に車に乗り込み、林さんに家まで送ってもらった。 何となく、帰り際の相島の笑顔を思い出しながら、あそこで「その笑顔見れたら、許してしまうよ」みたいな事を言えたら俺はとっくにモテモテになってるんだろうな。 いや、やっぱりひくな。そんなことを現実で言えるやつは、この日本にはいない。 そんなくだらない事を考えながら、俺は黒く、何も見えない窓の向こうを見続ける。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ ♪~♪ ケータイのアラームに気がついた俺は、止めたあと、時間を見る。 「7時……はん……か。う、あ~」 少し体をそらした後、俺は止まらない時間の流れを恨む。 春休みが終わってしまった。
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