始まりはいつも突然に

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二階の自分の部屋から一階の洗面所に行き、ことを済ます。 ご飯? なにそれ、食えるの? …………うん、食えるな。なんか間違った。 まあ、俺は朝食よりも睡眠を優先したいんだ。学生ならわかってくれると信じてる。 家は静かだ。父は仕事に出ており、母は……まあ昼まで起きる事もなく、その母の遺伝子を多めに受け継いだ姉もまたしかり。 多々の用意を済ませ、いつも通り……ではない。いつもと違う髪型……オールバックにして、業務用に徹した眼鏡をつける。 「……うむ」 アイドルのため変装しないといけないのだが、見事にサボりたくなるような容姿だ。まあ初日からサボる訳にはいかないのだが。 そして、新たなる新生活に希望を胸に抱いてドアを開けると―― バシン 「グヘッ!」 誰かにオールバックの頭を叩かれ、その希望は胸からこぼれ落ちましたとさ。
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