始まりはいつも突然に

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と、どっかのゲームのラスボス、もしくは裏切った親友が言いそうな事を、シリアス口調で言うと、 「そんな理由が……」 なんて事を、電車のケータイ広告を見ながらのほほーんと答える杏奈。興味ないんだったら聞くな。 まあそんななんて事もない会話をしてると、いつの間にか次が目的地である。 同じ制服を来ている人達がグループ、または一人で同じ方向に向かって歩いている。 あちこち見回して、なんとなく同学年を当てるような中途半端なゲームに没頭してると―― 「そういえば、賭けをしてへんかった?」 突然の幼なじみの質問によって、そのゲームはカセットが突然抜かれ、強制終了する事になった。……バグらなきゃいいんだが。 「な~。してたやんな~」 俺の視線に合わせ、ニマーっとした嫌な笑みを浮かべている杏奈。 「……今、財布持ってきてない」 その鉄にも穴をあける熱視線に目を合わせないようにしながら、俺は降伏の意で両手を挙げる。
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