始まりはいつも突然に

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俺は、そりゃもう相手に全力の頭突きを与えるような勢いで、おもいっきり頭を下げた。 「いやいや。あと、あんた一年だろっ。私も一年だから敬語無しでいいよっ」 俺は一旦顔を上げ、 「俺のピンク色を救ってくれて、マジでありがとう」 もう一回、今度は音速を越えるつもりで礼っ! 「ピンク?」 そして、俺の言葉の意味を理解出来ないらしく、首を傾げているめが――彼女。 ……コホン。若干、不適切な表現を言葉にしてしまった。落ち着こうぜ、俺。 そして、冷静になるために深呼吸を始めようとしたとき―― 「スーハ……ぬをっ!」 猛スピードで右から飛んできた黒い物体を何とか右手で弾き、下に落とす俺。素晴らしき反射。 「二千円取ったから返すわ、それ」 即座に俺は落ちてる財布確認。……うむ、少なくとも札は、昼飯用の二千円以外なくなっていないっぽい。 杏奈が黙ってる時間が長かったので心配だったが、この札が全部ニセ札にすり替えられてる事はさすがにないだろう。
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