5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
俺は、そりゃもう相手に全力の頭突きを与えるような勢いで、おもいっきり頭を下げた。
「いやいや。あと、あんた一年だろっ。私も一年だから敬語無しでいいよっ」
俺は一旦顔を上げ、
「俺のピンク色を救ってくれて、マジでありがとう」
もう一回、今度は音速を越えるつもりで礼っ!
「ピンク?」
そして、俺の言葉の意味を理解出来ないらしく、首を傾げているめが――彼女。
……コホン。若干、不適切な表現を言葉にしてしまった。落ち着こうぜ、俺。
そして、冷静になるために深呼吸を始めようとしたとき――
「スーハ……ぬをっ!」
猛スピードで右から飛んできた黒い物体を何とか右手で弾き、下に落とす俺。素晴らしき反射。
「二千円取ったから返すわ、それ」
即座に俺は落ちてる財布確認。……うむ、少なくとも札は、昼飯用の二千円以外なくなっていないっぽい。
杏奈が黙ってる時間が長かったので心配だったが、この札が全部ニセ札にすり替えられてる事はさすがにないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!