始まりはいつも突然に

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「ピンク色って何さ?」 本気で疑問視している顔で問いただしてくる彼女。 俺の今日からの三年間を救ってくれた御人の言葉を無視するわけにいかなく、とりあえずごまかしにチャレンジ。 「あ~、えっとだな――」 が、俺がピンクって言葉で真っ先に連想したのは桃で、しかし桃と言う言葉から、いいごまかし方が見つからずに悪戦苦闘。 仕方なく連想の言葉を変えて、何故か星のカ〇ビィが浮かび、駄目だこりゃ。と諦めた時に、 思わぬ伏兵が手を貸してくれた。 「あ、圭一。時間やばい! 走ろ!」 「は?」 と、杏奈はいきなり俺の手を掴んで走り出した。俺もこけるわけにも行かず、つられて走る。 「ちょ、ちょい待ちなよー! これ――」 何か彼女が言ってる気がしたが、足は止まらない。 少しずつ小さくなっていく彼女を見ながら、俺は心の中で幼なじみに感謝。 もう女神に会うこともないだろう。ということは、ごまかす必要もない。
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