始まりはいつも突然に

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そう、俺はピンクの重圧から解き放たれたのだ。ハハハハハ! ――この時、俺は極度のパニック(杏奈抱きつき事件&ピンクごまかし)により、冷静さをすっかりぱっかり無くしていた。 よって、彼女が言った言葉に気付かなかったのだ。 ……結構な命取りになることも知らずに。 「さて、今何時だ?」 「……8時40分」 「学校の始まる時間は?」 「…………9時」 「何か言うことは?」 「違うんよ! ちょっと勘違いしただけで――」 「何か言うことは?」 「……………………ごめんなさい」 さて、ここは椎欄高校一年二組教室。 椅子を引く音が大きく響くぐらいに静かで、その理由は俺達以外ここに誰もいないことにほかならない。
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