始まりはいつも突然に

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俺がこうなった原因は二週間前。 春休みに入ったばかり、しかも宿題が全くなしという事もあり、その日は睡眠という至福の時間を存分に味わっているとこだった……。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 「……スー……ぐあっ!」 夢の中でなにか幸せなことをしていた俺は、何者かの妨害のせいで、厳しい現実の世界に戻される。 「早く起きろ圭。飯だ」 腹の痛みにしばらくうずくまっていた俺は、声の主を見上げる。 「…………姉貴?」 「ああ、姉ちゃんだ。だから早く起きろ」 「あ、ああ」 何か釈然とした違和感を少し感じながら、仕方なく階段を下りて姉と共にリビングに向かう。 「さあ、そこに座っておけ。今からラーメンを作る」 そう言いながら、姉はキッチンに向かう。 ……普通、そういうのは作ってから呼ぶもんじゃないのかね? いや、まあ、一般的な家庭の要素をこの姉に求めるのが間違いか。どーせ作るのもカップラーメンだろうし。
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