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俺もいつかは彼女が出来るし、杏奈も彼氏が出来るのは時間の問題。
もし、俺のせいで杏奈の彼氏が出来なくなったら、それこそ俺は親友失格だ。
『親友なら親友の距離で』
それが杏奈の本心を聞いたあの日、俺が勝手に決めた約束ごとだった。
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さて、現在1時間目は、野村という教師によって自己紹介の時間と化している。
なんでもこの一年間お世話になる担任は、自分の自己紹介の時間を使い、友達付き合いについてみょ~なしつこさで説いていた。
もしかしたらこの担任、高校時代に友達に恵まれなかったのか、と思う俺は捻くれものなのかもしれない。
「おい……おい、お前」
そんなこんなで自己紹介の言葉を考えていた俺に、隣から声が届く。
「なに?」
「お前って、すごいな」
いきなり賞賛された経験がないのでわからんのだが、とりあえずありがとうと言うべきなのか?
そんな俺の微妙な表情に気付いたのか、そいつは付け加える。
「いやな、オールバックは別にいいんだ。うん、わかる」
大きく首を縦に振りながら、納得した表情を浮かべている。
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