始まりはいつも突然に

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「ただな、そんなワックスでガッチガチに固めるほど、ヘアスタイルにこだわった奴が。な、ん、で、眼鏡にこだらないんだ!」 そうだったな、今改めて気付かされた。俺はそんなわけのわからない格好をしてるんだったな。 ……駄目だ。鬱になるなよ、俺。 「それには何か秘密があるんだろ……。さあ、その秘密を答えろ」 しっかし、表情の起伏が激しい奴だ。目をつむりながら話す奴なんて、現実で初めて見た。 若干そいつが鋭い事に驚きながら、とりあえず気付いた事を告げることにした。 「次、自己紹介。お前だぞ」 教室のみんなの視線に気付いたそいつは、みるみる顔を赤くしながらガタッと立ち、自己紹介を行う。 俺は自己紹介が早めに終わって時間が余った1時間目で、隣の席の奴と喋っていた。 吉川俊司。 先程、出川並のオーバーリアクションを見せた、生粋ののリアクション芸人である。
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