始まりはいつも突然に

60/70

5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
「つーかさ、さっき女子が話してるの聞いたんだけど、新しいアイドルグループが出るらしいな」 その話はできるだけしてほしくないもんだが、その理由をうまく説明する自信がないため、俺は話をそらすことにする。 「お前はこそ~っと女子の話に聞き耳をたててたわけだ。……お前って、放課後女子のリコーダーを舐めるタイプだろ?」 「そんなタイプじゃねぇよ! リコーダーなんて舐めるか!」 ふと周りを見てると、女子が軽蔑の視線で吉川を見ている。 さっきのリコーダー発言が聞こえたらしい。いちいち声がでかい奴だからな。 「ドンマイ吉川。お前意外と顔いいのに、モテないタイプだろ?」 「いきなりなんだよ! 余計なお世話だ!」 やっぱりモテないんだな、うん。 「その同情的な視線やめろ!」
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5341人が本棚に入れています
本棚に追加