始まりはいつも突然に

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すると一回俺を見た後、わかってないな~といいたげなため息をつく。 なんかムカつく。 「だからな、それでさっきの話に戻るわけだ」 「さっきの話?」 「アイドルの話」 不満を示すために、それはもう咳込むぐらいのため息をつく。 だが、それを無視する馬鹿が一人。 「アイドルってもうやばいくらいにモテるだろ?」 それで俺を真剣に見てくる吉川。一応うなずいてやる。 「それでな、俺は考えたんだ。アイドルは何故モテるか……その理由を見つければ、冴えない俺達でもモテる事が出来るんじゃないかって!」 吉川は輝かしい笑顔を見せながら、自信をもって言い切った。 「ああ、そうだな」 優れた洞察力だ、褒めてやってもいい。 けど、お前が冴えないと言った俺は、実はアイドルなんだ。大いに疑問だと思うが。
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