始まりはいつも突然に

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「なんか設楽、思ったよりも暴力的だな」 お前のために、俺はあえて暴力に徹してるんだ。 「まあいい、とりあえず俺が言いたい事はだな。アイドルを調べようぜって事だ」 「俺は知らん。勝手にやれよ」 わざわざ同性のアイドルなんざ調べるか。異性ならまだしも。 「つれねーなお前。ほら、ちょうど新しいアイドルグループが出来たんだし、情報入りやすいだろ? 確か、トリニ――うっ」 その言葉を聞いた瞬間、俺は反射的に吉川の口を右手で塞いでいた。 素早く俺の手を掴み、口から離す吉川。 「ぺっ、何だよお前。突然気持ち悪いな」 「TRINITYはやめた方がいい」 「はぁ? さっき勝手にやれとか言ってたじゃねーか」 「TRINITY以外だったらいい」 「何でだよ?」 ……まただ。また墓穴を掘った。ピンクの時と同じだな、まったく。 けど今度は逃げない! 絶対ごまかしきってやる!
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