始まりはいつも突然に

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…………廊下に出て、何となくトイレに向かいながら、俺はできるだけ平常心を装って歩いていた。 いや、心の中はとてつもない達成感に満ちたりていたけど。 いや~、どこぞのキラさん並に上手くいった。 今すぐにでも屋上で太陽に向かって「やったぜ~!!」って叫びたいくらいだ。 もう今だったら何でも出来そうな気がする。 うん、今だったら学校に連続殺人犯が来ても、すぐにバットでも持って立ち向かえるだろう。 さて、この時の俺は知っとくべきだった。このご時世で、そんな恐怖の殺人鬼が現れないことを。 そんな事よりも、もっと目先のことを気にするべきだったのだ。 例えば……そうだな、テストで難しい問題を解いて達成感に浸ってたら、残り問題数が結構あるのに、時間切れを告げるチャイムが鳴ってしまったみたいな。 そんな感じである。
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