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だんだんと覚醒をしていった俺は、やっと違和感の正体に気がつく。
「そういえば、なんで姉貴が家にいるんだ」
そう、実はこの姉、全寮制の高校に行っているため普段は家にはいない。
「そんなの、高校卒業したからに決まってるだろ」
「姉貴が……卒業?」
「……なんだ、その意外そうな目は?」
偏差値的に行ける高校が、全寮制しかなかった姉が、きちっと三年で卒業できるなんて……。
ハハハ。いいジョークだな。ハハハ。
「言っとくけどな、私は凄く頭が良くなったんだぞ」
少し頬を膨らました姉はわざわざキッチンからリビングに歩いて来て、胸を張る。
嘘だ。この姉が頭がよくなるわけがない。
ない……が、
俺は姉から見えない角度で、口の端を吊り上げる。俺の中で何かが目覚める。
「……じゃあ、これ足すこれは?」
ちょっとからかいたくなった俺は、ちょっと姉の目論みにつきあう事にし、近くにあったチラシのキュウリと玉ねぎの値段を交互に指差しながら問う。
「数学は、苦手なんだ」
途端に俺が持っていたチラシを奪い去り、破く姉。
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