5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
「いや、大丈夫」
「けど、その財布になんか大切なもん入ってたんちゃうん?」
「最近カードにポイント集める事が趣味だったからな。……二月からの努力が無駄になってしまった事にな」
「ポイント集め? ……地味な趣味やな~」
「ほっとけ」
別にこいつなら俺がアイドルになったって話を告げても、誰にも言わないだろうし、俺と二人のときにその事を軽くからかう程度だろう。
というか、話す事によって、何か大変なときに力になってくれるかもしれない。
まあ……今はいいや。
そんなに難しく考えることじゃない。
こいつなら俺がテレビの中にいるって真っ先に気付くだろう。幼なじみ歴11年間伊達じゃない。
それがわからなくとも、いつかばれるだろう。
じゃあ……そのときまで待っとけばいい。親友とはいえ、隠すもんは隠すさ。
太陽が1番高い位置にあるとき、俺達は電車を降りた。
最初のコメントを投稿しよう!