ギャップ

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まさに春、という感じの暑すぎず寒すぎずのぽかぽかとした陽気の中、幼なじみと歩いて学校に向かう金曜日の朝。 たわいもない雑談をしてると、 「おはよう、杏奈!」 「あ、おはよう」 幼なじみが声をかけられ、後ろに振り向く。俺も同様に。 「何? 彼氏?」 「違うって。こんな時代遅れが彼氏のわけないやん。腐れ縁や、腐れ縁」 「時代遅れ言うな」 おいそこの女子。俺の顔を見た後に、うんうんって納得するな。 「それじゃあお邪魔しちゃ悪いし、先行くね。また後で」 と、その女子は早歩きであっという間に見えなくなった。 「おまえすごいな。昨日の今日で仲良くなったのか」 「こんなの普通やって」 おまえが普通だったら、この世界にいる全ての人見知りはどうなるんだ。
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