ギャップ

5/84

5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
俺は鞄を持って登校してる生徒をよそに、逆方向へと進んでいく。 さて、ここで何故スタジオに入れない可能性のある俺が、財布の行方を探す事もなく、のほほーんと朝の学校を過ごしているか、手短に話そう。 昨日、社長に電話すると「大丈夫」と言われたからだ。 いや、すごい手短に話したために読者に伝わったか些か不安ではあるが、そこはお前らの想像力でなんとかしてくれ。 まあただたんに俺は、詳しく説明するのがめんどくさいから話さない。 ってわけじゃないからな。そこんとこ、よろしく頼む。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 二時間目、俺は先人のこの教室の生徒が書いたであろう壁の落書きを、雑巾で必死に擦りとっていた。 そう。大掃除だ。 大掃除といえば普通は学期末な筈で、まあ俺も小学校と中学校ではそうだった。 なんでまだ学校に入ってきて二日目の初々しい一年生がしなければいけない。
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5341人が本棚に入れています
本棚に追加