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「や、なんも」
さて、こいつの事がわからない奴に、俺が一言で説明してあげよう。
『ピンク』
そう、紛れも無くピンクである。
といっても〇〇レンジャーじゃなく、わからない方は……ちょっと前のページに戻ってくれると助かる。
昨日の登校時に杏奈を離してくれた奴だな。
「そ。んじゃいいやっ」
しかし、戸惑う。
ピンクの件でちょっとばかし気まずいというのに、こいつはぜ～んぜん触れてこない。
これじゃあ俺が馬鹿みたいだ。
もしかしたら俺変装失敗した！？ と思って慌てて頭を触ってみても、想像通りべたついた感触。眼鏡もかけてる。
わからない。
もしかしてこいつは一日で記憶がなくなるという、どっかで聞いた事がありそうな、ファンタジーな脳の持ち主なのか？
……聞いてみよう。
「なぁ、お前名前なんて言うんだ？」
薮を突いて蛇を出すともいうが、とりあえず話し掛けてみることにする。
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