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……俺は、何を真面目にピンクやらファンタジー脳やらいってるのだろう?
まあいいか。
壁に書かれた相合い傘を消すのにちょっと罪悪感を感じながら、話を切り出す。
「あの、さ。鳥谷」
「なに?」
そして、ちょうど相合い傘の右下の文字『る』を消し終わってから告げた。
「お前と俺、昨日会ったよな」
「……え?」
「…………」
「…………」
止まる空気。冷える温度。まああくまで俺の主観だが。
というかさ、
これ…………俺が逆にファンタジー脳と思われてないか?
だってさ、仮にも幼なじみに襲われてる時に助けてもらったような相手を、覚えていないわけがないだろ?
「…………」
……駄目だ。客観的に見て俺は頭がパンパカパーンだ。
「覚えてるよ。それがどったの?」
「悪い、今の話は忘れ……え?」
……何の疑いもせずに普通に言われたせいで、俺の頭は実際にパンパカパーン。
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