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「圭一、あんた……」
机を挟んで、哀れみの視線を向ける杏奈はスルーとして、
「設楽君、大丈夫!?」
心配そうな言葉の割には、輝かしい笑顔を向けている鳥谷に近づく。
「スミマセンデシタ。マコトニ、スミマセンデシタ」
「やや、私は大丈夫さ」
「なんで立場逆になってるん!?」
「杏奈もだな。悪かっ……いや、気付いてないのか。じゃあいい」
「何によ!?」
「気にするな。たいしたことじゃない」
「あんたにそんな笑顔で言われたら、余計気になるやん!」
「さて、真面目に掃除するか……」
「あんたに真面目に掃除出来るわけないやんか!」
「どんな偏見だ、それは。――」
ともあれ、この時間には、俺は今日の放課後に初生中継って事を忘れて、リラックス出来ていた。
それは、ここにいる鳥谷と杏奈の功績だろう。
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