始まりはいつも突然に

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サービス問題として、俺は『市長』を指差す。 もうそろそろ、姉が作ったラーメン(カップ)が伸びてしまう。 自信満々に言う姉の顔を見ながら、俺は正解を確信して椅子から立ち上がり―― 「いちながだ」 「…………」 姉を教えた高校教師に同情しながら、俺はカップを二つ、リビングのテーブルに運んだ。 「もう悪かったって。姉貴」 「許さない」 結局、俺は姉をからかいながら楽しくラーメンを食べていた。 が、どうやら加減を間違えてしまったらしい。姉はご機嫌斜めでむくれている。 ……軽くおいといた方が良さそうだ。俺はいいともを見ながらの~んびりとすることにしよう。 ――ピンポーン と、突然響いたチャイムの音。 姉を見るとまだ拗ねていて動きそうにない。仕方なく俺が立つ。
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