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「テレビの話だよ。お前絶対見ろよ。トリニータ出るから」
「お前…………、もしかしてこっちの奴なん?」
俺は右手を左頬に持っていくポーズを見せる。
「ち、ちげえよ! 俺がトリニータを見るのはモテるためだ! 女大好きだ!」
「そうかい」
吉川のプライドのために周りの女子がお前に引いてる事は言わないでおいてあげよう。有り難く感謝しろよ。
「じゃあな! 絶対見ろよ!」
と言って、女子の好感度急下落中の吉川は、鞄を持って帰っていった。
すると、超絶的ドンピシャのタイミングで反対側のドアから担任参上。
「今から帰りのHR始めるぞ~」
さっきの言葉を訂正。まだ帰れないらしい。みんなは席にゾロゾロとかえる。
「ありゃ? ここの席空いてるが、誰だ?」
担任が指差してるのは、紛れも無く吉川の席である。
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