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「サボりか~? まったく……あ~、吉川吉川……」
頭をがしがししながら担任は教壇に上がり、なにやらノート書いている。
残念吉川。女子だけじゃなく担任の評価も急下落だ。
俺は軽く、ミジンコなみにほんの少し、吉川の将来を心配した。
「明日からだがな。通常授業が始まるから、ちょっとした注意がある――」
担任の話を当然の如く無視し、帰る用意。
まあ、そんな重要な事だったら幼なじみが帰ってる時に話題に出すだろ。そのときに聞きゃあ――
――ガサッ
ん?
机に入れてた筆箱を取り出そうとしたとき、何故か紙の感触。
変だな。連絡事項の紙は全部ファイルにしまったはずなんだが。
まあ誰かが勝手に俺の席にゴミを入れたんだろ。まったくごみ箱あるんだからちゃんと入れろよ――
といった感じで、俺はその紙を軽~い気持ちで取り出した。
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