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「悪い。今日用事があるから、先に帰っててくれ」
杏奈には悪いが、これは一生一大の大チャンスなのだ。
が、そんな俺の心意気に気付かない腐れ縁は、憎まれ口を叩く。
「あんた……なんか、やらかしたん?」
「なんかってなんだよ?」
「ほら……階段の下からスカートの中を見ながらニタニタしてたら、先生に見つかったとか」
「し、してねえよ」
実際に二時間目にスカートの中を見ちゃってた俺は、ちょっとどもってしまい、
まあ、それを見逃す幼なじみではない。
「そ。じゃあいいわ、先に帰っとく」
ない…………はずなのだが。
何故か俺の吃りには気付かず……いや、わざとスルーした気がする。
……けど、そんな事をする理由がない。
「じゃあ、また明日」
「お、おう」
そして、俺の親友は同じ高校生に紛れて、帰っていく。
そして、何故か俺は呆然。明日は学校がないことにも気付かず呆然。
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