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幼なじみと話していたので、ちょっと俺は遅れていた。
自分のクラスに残っていたのも、男子のみだった記憶が残っている。
つまり、今から女子が来るということはない。
そして、俺はノーマル。男子と付き合う気はない。
つまり、だ。
俺が予想していた、ベタな事件は起きなかったわけだ。
今は多分、イタズラをした誰かが四階で『あいつ、本当に入ったぜ』と話している最中だろう。戻るのにも気が滅入る。
そりゃあ、座り込みたくもなるさ。
けど、いつまでもここにいるわけにもいかない。今日は大事な用が――
「………………」
……アイドル、ねぇ。
こんなモテない男をアイドルにして、何が楽しいんだか。
生まれるのは嘲笑だけだろう。
「ダメだダメだ」
もうアイドルなんてやめてやろう。
俺がイタズラされたのも恐らく、こんな時代遅れの格好をしてるからだろう。
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