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さて、ケータイの電源も消して、ずーっとここにいてや――
ガチャ
「る?」
突然、耳に聞こえた音。
視線は汚い床から、真っ青な空。
湿りきった廊下から、風の吹く屋上。
「やっ。来たねっ」
そこにいたのは、一人の少女だった。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
私は、ただ黙々と歩いていた。
「はぁ」
そして、さっきから何度目かわからないため息。
幼なじみがおかしいと気付いたのは、春休みがある程度過ぎたときの事だった。
遊びに行こうと電話をしても『用事がある』
春休みに毎日作ってあげてた昼ご飯も『悪い、迷惑かけるからいい』
毎年やってた、小学校六年生のときのクラスメートとの同窓会もキャンセル。
全部、同じ理由にしか思えない。
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