109人が本棚に入れています
本棚に追加
ナルコレプシー
小学五年生の時に、生まれて初めての自殺をした。
動脈を切れば死ねると思って、カッターで手首を切った。
噴き出した血で部屋中真っ赤になったのだけれど、私はただ、貧血で倒れただけだった。
中学二年生の時には、首を吊ってみた。
首を括っていたロープが千切れ、気が付いた時には、首輪のような真っ赤な縄目のついた姿で私はぶっ倒れていた。
高校一年生の時は、睡眠薬を山ほど飲んだ。
意識が遠くなった。
ぼんやりした意識の中で、「ああ、今度こそ死ねるな」と思ったのだ。
―――翌日、冷えきった自分の吐瀉物の中で目を覚ますまでは。
来週、私は四度目の自殺をする。
そしてこれは、私の最後の自殺になるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!