高橋春紀

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  「え? なんでですか?」 ヒロの言葉に面食らった私は、言葉の真意が掴めず問い返す。 ヒロはますます困ったように言った。 「『MAY』も『日和』も、遊び半分でサークルに参加してる雰囲気があるだろ? だから、本当に自殺する気があるのは、俺と春紀ちゃんと、『湖宵』って奴だけだと思うんだ」 「まあ、言いたいことはなんとなくわかりますけど…」 まさか「いやいや、あんたも十分遊びですよね?」とツッコミを入れるわけにもいかず、私は曖昧に微笑んでごまかした。 ヒロが言う。 「そもそも、本当に死ぬ気の人間が、こんな馴れ合いみたいな集まりになんて、参加しないだろ」 「………。」 いや、だから、それをあんたが言うなよ。 私はまたしても、心の中でヒロにツッコミを入れた。  
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