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ステージをスポットライトが一つ、照らし出す。映し出されたルナとリューネ。
「さあ、これより私がリューネを繰りまして、様々なものをジャグリングさせて見せましょう。先ずはお手並み拝見、丸い果物から参ります。」
明るくなるステージ上。
流れてくる軽快な音楽に合わせて、ジャグリングが始まる。
林檎、蜜柑、西瓜…
大きさの違う果物を次々に、宙を回していくリューネ。
その横でリューネを操っているルナの姿は、まるでダンスを踊っているかのよう。
暫くして、リューネが真後ろにある籠に、果物を放る。
「如何でしょう?続きましてはこの棍棒。え、(手でやるだけでは面白くない)って?分かりました。両手両足、駆使しまして成功させて見せましょう。」
3つの棍棒を回し始めるリューネ、1つを足で蹴り上げようとすると…ゴンッ
乾いた音が響いて、棍棒が転がっていく。
「あれ??失敗、失敗。さあ気を取り直して、もう1度。」
戯けた仕草で棍棒を拾うリューネの隣で、ルナが首を傾げて呟く。
そして何事も無かったように、再開されるジャグリング。
程なくして、音楽の終末に合わせ、高く放り投げられた棍棒。
コンッ・コ・コンとリューネの前に一直線に並んで降ってきた。
拍手と歓声がステージを取り巻き、湧き上がる。
「ご声援、有難う御座います。続きましてが本日最後の演目、切れ味鋭い、危険なナイフを使ってのジャグリングです。」
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