『キス魔な彼女』

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 片付けて料理が並ぶ。わお、僕の大がいっぱい付く好物、肉じゃがではないか。  それに味噌汁とほかほかの白米。日本人に生まれて万歳三唱したい。 「十夜、食事の前にですね……」 「え? ……むぐぅ!」  飛び付かれてキスを開始。その勢いで押し倒されて他人様に見られたら誤解を生む姿に。  いつもながら柔らかい唇だな。頭の中で穴掘って叫んだ。恥ずかしくて。 「ぷは! はぅ……ご馳走様でした十夜。美味しかったです」  柔らかく絹のような笑顔を見た。早く退いてほしい、理性が爆発する前に。  と、彼女は今の状況をどうやら理解したらしい。これはどう見ても僕が彼女に襲われている。嬉しいけど。 「きゃ! ごめんなさいです。私ったらつい。さ、ささ、冷めない内にご飯どうぞです!」  ようやく天国と言う名の地獄から解放された。  地獄のような天国、でも良いかな?
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