『キス魔な彼女』

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   視線が痛い。人々から放たれた注目が一点に集中し凝縮、恥ずかしさ極まりない。  要するに注目の的、ということだ。それは仕方無いだろう、誰だってこれを見たならこうなる。  何故なら……。 「……ぷはぁ! えっへへ、もう一回良いよね? ね!」 「ち、ちょっと、皆さんが見てますよ。は、恥ずかしいです、だから……むぐぅ!」  重なる唇、濡れる唇、熱くなる唇、これはつまり世に言うキスだ。  華奢な腕が僕の首に絡み付いてがっちりと束縛され、唇まで足りない高さを精一杯背伸びして補っている。  彼女の良い匂いが堪らない……では無く、落ち着くんだ僕よ。この状況は非常に恥ずかしい。  イチャつく僕らを唖然と見つめるレジの人、買い物中の人、立ち読みの人。  ここは誰でも(多分)一度は入ったことのあるところ。  24時間開いていて助かるコンビニエンスストアーだ。
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