『キス魔な彼女』

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「あ、ありがとうございます」 「どういたしましたぁ!」  レジを済ませようやくコンビニから脱出出来た。  レジのお兄さんなんだか睨んでたような気がするけど、気にしないことにする。いつものことなので。  彼女は僕の腕にしがみつきながら笑顔を絶やさない。  うん、やっぱり彼女は可愛い。どう見たって美少女だ。  なんて思ってしまったので頭の中で穴掘って叫んだ。恥ずかしくて。 「十夜、アイス食べよ~!」 「……そうですね」  まさか今来るとは。彼女はカップのバニラを開け、食べ始める。  さてと。心の準備をしなければならない。抹茶コーヒーチョコレート、佃煮風味。抹茶とコーヒーって、和洋折衷? 怪しい。  まだ抹茶チョコレートくらいなら許せる。だが、佃煮風味ってなんだ。 「十夜、食べないの?」 「食べますよもちろん」  袋から取り出し、棒アイスを囓りモグモグ。  うん、上品に言って個性的なお味。下品に言うと、クソ不味いぞこら、だ。
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