『キス魔な彼女』

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   数日後、仕事終えて家に着く。今日も疲れたなとシャワーを浴びてからテレビのスイッチを。  二階建ての安いボロアパートの一室が僕の部屋だ。何処かに隙間があるのか冬は毛布が無いと死ぬ。夏は夜になると微々たるものだが涼しい。  悩みの種は壁が薄いのと、部屋は六畳程で狭いのだ。  ま、家賃は驚く安さで助かるのだが。  などと思い溜め息を一つしたところでインターホンが響く。無論お隣りさんまで。壁が薄いのは嫌だね。  来客だ。入口まで進み、扉を開くと彼女がいた。 「あ、十夜。こんばんはです。通い妻が来ちゃいましたよ! 何ちゃってです」 「いらっしゃい、いつもすいません」 「いえいえです。十夜、お腹空いてますか?」  彼女の手には買い物袋が。ちょうど腹が飯を催促してうるさかったので助かった。  彼女を部屋に招く。腰の辺りまである綺麗なストレートの黒髪がなびいてほっこりとした感情に。どんな感情だそれって。
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