2040人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後、仕事終えて家に着く。今日も疲れたなとシャワーを浴びてからテレビのスイッチを。
二階建ての安いボロアパートの一室が僕の部屋だ。何処かに隙間があるのか冬は毛布が無いと死ぬ。夏は夜になると微々たるものだが涼しい。
悩みの種は壁が薄いのと、部屋は六畳程で狭いのだ。
ま、家賃は驚く安さで助かるのだが。
などと思い溜め息を一つしたところでインターホンが響く。無論お隣りさんまで。壁が薄いのは嫌だね。
来客だ。入口まで進み、扉を開くと彼女がいた。
「あ、十夜。こんばんはです。通い妻が来ちゃいましたよ! 何ちゃってです」
「いらっしゃい、いつもすいません」
「いえいえです。十夜、お腹空いてますか?」
彼女の手には買い物袋が。ちょうど腹が飯を催促してうるさかったので助かった。
彼女を部屋に招く。腰の辺りまである綺麗なストレートの黒髪がなびいてほっこりとした感情に。どんな感情だそれって。
最初のコメントを投稿しよう!