‡第一章‡

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徒歩5分のとこにある駅まで行くと電車に乗り2つ目の駅で降りる。 そのままいつも通る道を通っていくとM大学に着き、授業をを受けるために教室に行く。 中に入ると無意識にあいつの姿を探しているのに気付き俺は内心苦笑した。 ―――あいつはまだ来てないな。 いないことに残念な気持ちになりながらも内心ほっとしてしまっている俺がいる。 自分の気持ちに気が付いて約半年。 俺自身、この感情に戸惑っているのをあいつに感付かれたくなかったのだ。 一番後ろの席に座るとまだ授業が始まっていないのをいいことに携帯を開く。 あいつからのメールはない。 ―――休むときは聞いてもないのに連絡するのに。 何かあったのかと心配していると背後から聞きなれた声が聞こえてくる。 「秋人」 心臓がドキっと鳴ったのが自分でもよくわかった。 動揺を悟られないようにゆっくりと後ろを振り返ると声を掛けてきたあいつに笑いかける。 「おはよう、直哉」 そう……俺が好きになった奴は…男だったんだ。
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