第二話 妄想と家族

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僕がそんな妄想に浸っていると母は僕のご飯とおかずをよそってくれ僕の手前に出してくれた。 「いただきます。」 僕の家は手を合わせ食べるときの挨拶をする。 どうでもいい話だが昔家はなんかの宗教に入っていたらしく幼いときは食べるときに 「天の恵みに感謝して……」 どうたらこうたらという 呪文を言っていたらしい。 僕はそのとき5歳くらいだったから忘れてしまったが里子は未だに言えるらしい。 そのときの教えが残っているのかは分からないが我が家では食事のときはいただきますと言うことを強制されている。 いや洗脳されている。 「召し上がれっ!」 なぜかトーンがウェーブして"れ"の部分だけが高い。 この会話、高校生にもなると他人には見られたくないと思う。 僕はあっためられた唐上げを頬張るとご飯を掻き込む。 唐揚げというのは冷めたときに美味しいかどうかで味の質が分かると僕は勝手に思っているが今日のソレはなかなかで及第点だった。
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