第一話 大きな大きな黄色い看板

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――東京タワーへとたどり着いた僕は急いで展望台フロアの入場チケットを購入すると エレベータの列へと加わった。 休日には少し待つ展望台への列も平日ということもあり二回目で僕の番が来た。 僕はいまかいまかと待つあまり足をイラつかせ音を鳴らした。 おばさんが怪訝そうに此方を見ていたが気にしない。 しかしおばさんはうるさいとか常識がどうこういっていたので僕は足を鳴らすのをやめておとなしくすることにした。 そんなやりとりがあったがエレベーターは屋上へとたどり着いた。 一面に広がる銀……いやビル世界。 ここが首都だと思わせられる場所。 一面綺麗でもないビルが所狭しと並んでいる。 昔、遠足でこの展望台から下を眺めたとき友達数人と一緒に 「「見ろ!人がゴミのようだ!」」 と叫び周りから爆笑と失笑と微笑を得たのを思い出した。
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