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第四章
自分がほしい
それが私の一番の望みだった
16歳の終わりに彼と出会った それが 直也
全く好みでもないけど 車も家もあるし いっか。
一緒にいて楽な奴 そっからのスタートだった
彼の家に転がりこむのにそう時間はかからなかった
それでも私は変わらず遊び続ける毎日
彼が嫉妬というものにさえ気付かずに・・・・
ようやく18歳が訪れようとしてた
1ヶ月前から楽しみで楽しみで
やっと大人になれる
自由になれる
そう思った
「誕生日おめでとう」
プレゼントにサプライズ❤
「ありがとう。写メとろっか」
幸せな一時が過ぎ全てのものが私を祝福してくれてる様な気さえした
突然直也が真剣な顔で聞いてきた
「これから何するか決めた?」
「全然・・・何とかなるっしょ」ケーキをほおばり答える
就職なんてなんとでもなる そう思った卒業できたし
束縛から
しばらくの沈黙
「ん?どうした?」「俺達別れないか」「えっ?なんで?」頭が不安と?でいっぱいになる
「ずっと言おうと思ってたんだ・・・こんな日でごめん・・・お前俺の方見てないだろ?一緒にいる意味ないじゃん」
「・・・・」
何がなんだかわからなかった・・・さっきまでのは何?夢?
何も言葉がでてこない
「俺・・・好きなやつできたんだ」
「家探すまで待ってくれない?」
「いいよ」
彼の言葉が胸に突き刺さる
真っ白な頭でやっと答えを切り出したのは何分 何時間たってだろう
絶対泣かない
ハマってなんかないもん
必死で平常心を保ってるフリをした
でももう遅かった
その場から消えたいくらいの心へのダメージ
心に穴があくってこういう事かな・・
とんだ誕生日プレゼントだ
一生忘れられない 最低の言葉のプレゼント
私の言葉を待ってたかの様に彼は立ち上がった
その日彼は帰ってこなかった・・・
ひたすら泣いた・・
失って気付く大切なもの
気付いた時にはもう遅いんだね
私もいたたまれず夜の街へ出た
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