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同じクラスということで罪悪感倍増だ。
「ゴメン…俺、人の名前覚えるのあんま得意じゃないんだ…」
自慢じゃないがホントに覚えるのは得意じゃない。
だからクラスの半分どころか、八割くらい未だに覚えてない。
「気にしないでください」
そう言って森島さんは笑顔を見せてくれる。
そう言ってくれるとほんの少しだが、救われた気がする。
「それで…その………俺に話しって一体…」
今までのが本題ということはないはずだ。
屋上を選んだことにも理由があるはずだ。
俺が尋ねると、森島さんは顔を赤くする。
「ええええ、え、え~っと…あ、あの…その……え~っと…わらひは!」
あ、噛んだ。
まず息を整えようぜ。
「とりあえず落ち着いて」
「は、はい」
深呼吸をして息を整え、落ち着いたようで、何かを決意したような目をしていた。
「あの……私、森島仁美は、夕崎陽斗君…あなたのことが好きです!
つ、付き合ってください!」
え、え~っと…今のってまさか…俺、告白された?
お、おい冗談だよな?
なんて答えよう…
いや、違うな。
なんて答えようじゃない。
俺は森島さんのことを知らないんだから、オーケーなんて答えれない。
森島さんには悪いが断ろう。
「あの………へ…返事は後でもいいですから……それじゃ」
俺は立ち去ろうとする森島さんの手を掴んだ。
断ろう。
森島さんには悪いけど、知りもしない相手と付き合えるわけもないし、断ろう。
「俺達互いのこと何も知らないのに、付き合うことはできない。
だからその……友達から…じゃダメかな?」
あれ?俺何言ってんだ?
断るつもりだったのに……ま、いいや。
「私はそれでもかまいません!
だからその…よろしくお願いします!」
まぁそりゃそうなるわな。
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