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「一つ言っとくが圭太、俺達付き合ってないから」
「嘘!?あれってオーケーじゃないの?」
「うわっ!」
彩が現れた。
お前、どっから出てきた!
ホントに神出鬼没だな、おい。
「彩ちゃん、いたの?」
「ずっといたよ」
「いつからいやがった」
「えっとね、おはようって二人が挨拶してたとこからよ」
「そんなとこからいたなら言えよ!」
「ごめんね~」
ホントにわからない奴だ。
「ていうか、二人って知り合いなんだな」
「そうだよ。私、仁美っち親友なんだよ~」
なんだと!?
「で、結局オーケーしなかったの?」
「ああ。してないよ」
「つまんない!」
つまんないってなんだよ!
「半分記事にしかけてたのに~」
記事ってなんだよ!
「なんの記事なの?」
「『学園一の美少女についに彼氏あらわる!?』ってね。
でもダメね、付き合ってないんじゃ『学園一の美少女に想い人あらわる!?』に変えないと」
そう言って笑い、彩は手で持っていたカメラで仁美を撮る。
「ちょっと彩ちゃんやめてよ!は…恥ずかしいよ」
顔を真っ赤にして彩に抗議する仁美。
か…かわいい。
と思ったのは内緒だ。
「もう遅いもんね」
遅くないだろ。
「やめてやれよ、彩」
「いやよ、あんたも記事にするんだから」
なんだと?
「なおのことやめろ」
「いやよ」
そう言って彩はどこかに消えていった。
おいおいマジかよ。
最悪だ。
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