仁義もくそもへったくれもない戦い

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仁美と友達となって一週間がたった。 その間の俺は大変だった。 毎日のように下駄箱に入っている手紙。 手紙と言えば聞こえはいいが、『果たし状』とか『挑戦状』とか書かれていた物が入っていた。 まぁ中身は見ていない。見ずに破り捨てた。 普通見ねぇだろ。『果たし状』とか『挑戦状』とか書いてあるから中身は見なくてもわかる。 そして今日も…下駄箱を開けると… 案の定入っていた。 「またか………」 「また破り捨てるのか?」 また捨てるか……と一枚変わった物が入っていた。 無地の手紙……見てみるか。 ちょっとドキドキだ。 開けてみると………『夕崎陽斗、ぶちのめす!今日の昼休み、ぶちのめすから体育館裏に来い』だそうだ。 破り捨てる。 「は…は…陽ちゃんに…この子は許さない!殺すわ!」 「あず姉!何言ってるの!ダメ!」 あず姉は俺にこういう相手が出ると、こうなるのだ。 恐ろしい…… ホントに殺しかねない。 こういう時のあず姉は常人以上の能力を発揮するからな。 だからこうならないように破り捨てているんだ。 「嫌よ!陽ちゃんが死んじゃう! やられる前にやるのよ!」 「ダメ!絶対にダメ!大丈夫、死なないから」 行かないから死ぬわけないだろ。 「それに、俺が武道やってるのあず姉だって知ってるだろ」 「そうだな。陽斗なら、楽勝だな」 「そうね」 百人組み手したばっかだしな。 当然クリアしたがな。だがそれはまた別のお話。
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