仁義もくそもへったくれもない戦い

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人を拉致って試すようなことしやがって…なんかムカつく。 「お前なら仁美様を安心して任せられる」 だからお前らは仁美のなんなんだよ。 「これからも仁美様を頼む…」 リーダー格の男が立ち上がり、握手を求めてくる。 なんかこのやり切った感のある顔がムカつく。 ここで握手に応じたらなんか、何かに負けた気がする。 とりあえず蹴っとくか。 「な…なんで……蹴る…」 無性に蹴りたくなった。 「お前らに言われるまでもねぇよ。その時が来たら守るさ」 俺はその場から立ち去った。 腹減った。早く昼飯食べよう。 俺は知らなかった。 これが彩に写真に撮られていたことを。 俺が守る会を返り討ちにした記事は、次の日に新聞として公開された。 やってしまった。 また作りたくもない記録を作ってしまった。 たった一回の告白がこんなに大事になってしまった。 あらためて仁美の人気が凄いのだと思い知らされた。 俺はもう普通の高校生活を送れないんだな。
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