第一章 二人の出逢い

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部屋はとてもきれいな洋室だった。 シングルベッドに学習机、クロゼットの中にはタンスとハンガー。 一人部屋だ。 今まで施設では、10畳程の部屋に6人いっしょが当たり前だった。 ここでは8畳の部屋を一人で使える。 「トイレ、あっち」 おとなしい小さな声。 以前いた施設の先生達とは大違いだ。 「隣の部屋、森川君だから…。同じ学校でしょ?」 そう言い残すと台所の方へと行ってしまった。 あの人はこの家の人なのだろうか。
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