長編

2/9
前へ
/9ページ
次へ
もし、私があなたと出会っていなければ。あなたとあんな約束をしなければ。好きな人にたいして、一生嘘をつき続けることはなかったのかもしれない。あの頃の、私は凄く弱い人間だった。 高2の冬。 この頃の私は、学年トップで容姿端麗の女、相崎琉伎奈(るきな)から酷い嫌がらせを受けていた。毎日が苦痛でたまらなかった私にも好きな人がいた。 「要!ここにいたのね。」 良い忘れていたが、私の名前は、一条要である。 「話があるんだけど、放課後付き合ってくれるわよね」 私はうなずいた。怖くて声すら出なかった。 「何?」 私たちは校舎裏に来ていた。 「‥」 「今日はとりまきはいないのね!あなたが1人で行動してるのはじめて見たわ」 私は視線をそらしながら言った。 「今回は、邪魔者がいたらこまるの。誰かに聞かれるわけにはいかないしね」 腕組みをしながら言った。 「あっそう」 「あんたを解放してあげる」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加