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もし、私があなたと出会っていなければ。あなたとあんな約束をしなければ。好きな人にたいして、一生嘘をつき続けることはなかったのかもしれない。あの頃の、私は凄く弱い人間だった。
高2の冬。
この頃の私は、学年トップで容姿端麗の女、相崎琉伎奈(るきな)から酷い嫌がらせを受けていた。毎日が苦痛でたまらなかった私にも好きな人がいた。
「要!ここにいたのね。」
良い忘れていたが、私の名前は、一条要である。
「話があるんだけど、放課後付き合ってくれるわよね」
私はうなずいた。怖くて声すら出なかった。
「何?」
私たちは校舎裏に来ていた。
「‥」
「今日はとりまきはいないのね!あなたが1人で行動してるのはじめて見たわ」
私は視線をそらしながら言った。
「今回は、邪魔者がいたらこまるの。誰かに聞かれるわけにはいかないしね」
腕組みをしながら言った。
「あっそう」
「あんたを解放してあげる」
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