別れ

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気が付けば、渉のアパートの前まで来ていた 部屋に灯りがついている 『よかった……』 この世に一人っきりみたいな気分だったから、その灯りを見て安心した ピンポーン チャイムを鳴らしてみても、なかなかドアが開かない 「渉ー!!」 待ちきれなくて呼んでみた 私、近所迷惑?! 「姉貴?!」 ドアを開けた渉が驚いたような顔をしている 突然訪ねたんだから仕方ないか 「姉貴、酔ってんの?!」 「お邪魔しま~す」 渉の質問に答えずに部屋に入った 足元がフラつく 喉が渇いていたので、冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターをペットボトルのまま飲み干す ペットボトルを口から離すと、急に涙が込み上げてきた
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