60人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付けば、渉のアパートの前まで来ていた
部屋に灯りがついている
『よかった……』
この世に一人っきりみたいな気分だったから、その灯りを見て安心した
ピンポーン
チャイムを鳴らしてみても、なかなかドアが開かない
「渉ー!!」
待ちきれなくて呼んでみた
私、近所迷惑?!
「姉貴?!」
ドアを開けた渉が驚いたような顔をしている
突然訪ねたんだから仕方ないか
「姉貴、酔ってんの?!」
「お邪魔しま~す」
渉の質問に答えずに部屋に入った
足元がフラつく
喉が渇いていたので、冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターをペットボトルのまま飲み干す
ペットボトルを口から離すと、急に涙が込み上げてきた
最初のコメントを投稿しよう!