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トゥルーダムを旅立って数日
イサーナの船ではトゥルーダムから入った仲間への手荒い歓迎の儀式が行われていた
「ここで潜るのかよ?マジかよ俺あんま泳げないだよ」
泣き声を言うビィトに
「お前船で生きていくのに泳げませんじゃお話になんないんだよ。それが出来ないならここで捨てていくだけだ」
イサーナは冷たい目で へたりこんでいるビィトに言い捨てる
その時
船の後方から
「おー」と言う歓声が上がった
「おや、奴はもう終わったようだ。次はお前の番だね」
顔をひきつらせるビィトを尻目に イサーナはもう1人の新入りの所へ向かった。
「ブルータス案外早かったじゃないか」
「ああ、これで良いのだろう?」
握っていた物をイサーナに渡す
「間違いないね、さっき投げた金貨だ」
新入りの儀式 それは、船から海へ投げた金貨を拾ってくるもので
度胸と判断力 探索力 そして何より 潜水の技術と体力が物をいう
新入りの儀式の為比較的浅く穏やかな海で行われるが、いかんせんそこは、広い海何が起こってもおかしくない。
「それから、これも見つけたんだが」
腰に着けた網の袋から取り出したのは貝
「おや、アワビだね それからこれはまさか」
そういうとナイフを取りだし貝をこじ開けた
中から 貝の身と その間に 白く輝く小さな珠が現れ
「真珠じゃないか、なかなかやるね新入り」
「やはり、間違いななかったか。以前水軍の長に見せてもらった物に似ていたからまさかと思ったが」
「水軍?お前はレモン付きの護衛じゃなかったのか?」
「そうだ、だが風花の姫に使えるには、剣技だけではなくありとあらゆる事が出来ねばならない。水軍での鍛練はその一つだ」
「なかなかやるじゃないか、ブルータス
間違いなくこの海賊団の一員として認めよう」
口の端を持ち上げイサーナは 笑った
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