紺碧の揺りかご

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アタシにとっては、船が揺りかごその物だった。 海の青と波の音 それは、いつもそこにあった。 アタシは この船の先々代の船長を父に持つ 筋金入りの海賊だ。 『スカルス』それが、父親の名前 鮫の牙の 二つ名で呼ばれ 仲間を殺した 商売敵の船に 単身乗り込み沈めたという 伝説が あったらしい 母親の名前は『ベルーガ』孤島にある 海賊達の酒場で 歌姫をしていたらしい らしい と 言うのは アタシの記憶には 殆どないからだ 父親は、アタシが2つの時に 海軍の大砲で 母親はその一年後、父親を追うように なので、親の記憶はアタシの中で無いに等しい 親を亡くしたアタシを 育ててくれたのは、『オルカ』兄さんだった。
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