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「転校生?」
怪訝な表情を浮かべながら、転校生という青年を眺めた。
「はい、来たのはいいんですが……迷ってしまって、あの、職員室は何処にあるんですか?」
「あーこの廊下を真っ直ぐ行って、すぐそこの階段を下っていけば直ぐだ」
「ご丁寧に有難うございます」
そう教えると、転校生は青年に礼を言い去っていった。
転校生を見送ると青年は、教室に入り忘れ物を取ると元通りに鍵を閉めて職員室に向かった。
「転校生かぁ。ま、俺には関係ないしな」
職員室に鍵を戻した時に、例の転校生が担任教師と話すのが目についた……青年と目が合ったせいか、彼は僅かに頭を下げる。
その様子を見た担任が青年の方を見た。
「鳴海じゃないか!丁度良かった」
「何ですか?」
担任が手招きをしながら鳴海を呼んだ為、鳴海は担任と転校生の傍まで歩いて行く。
「明日、うちのクラスにやってくる転校生の黒沼梓君だ」
「先程はどうも有難うございました」
黒沼と紹介された彼は、丁寧に鳴海に頭を下げて挨拶をしてきたのだった。
反射的に鳴海も頭を下げる。
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