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「ご兄弟なのですか」
黒沼が尋ねると、鳴海は頷いて弟であり生徒でもあるアマネを見ながら改めて紹介した。
「そう、おれの弟だ。やる気無さげでバカだが……害はないし安心しろ。まあまあ頼れるし」
「酷くないか?鳴海センセ~」
「語尾を伸ばすな!それより、明日からクラスメイトになるんだから、仲良くな。じゃ、黒沼……最後に校長先生に挨拶しとくか」
そう言って、アマネの肩を2、3度叩くと鳴海は黒沼を連れて職員室を出ていった。
去り際に黒沼は、アマネに向かって、また明日、と言い鳴海の後を追っていった。
「……はぁ、面倒だな。女の子のがまだ良かったな」
ブツブツと言いながら学校を出て、家路に向かった。
この時は、まだ想像すら出来なかった……平凡で在り来たりな日常が歪むのに…。
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