ゼロの魔術師

第二話

アークス高等魔法技術学園。
言わずもがな、学校である。

アークスの教育制度は他の国よりも調っていて、初等魔法技術学園、中等魔法技術学園、高等魔法技術学園と、生徒たちは通うことになっている。

初学は主に初級魔法や、遊び。
中学は主に中級魔法や、魔法の歴史。
高学は主にそれぞれの属性に合った上級呪文、精霊を呼び出す精霊術などを学ぶ。

そしてそれらの過程を終えたとき、初めて魔術師として世に送り出されるのであった。

それらの中でも高等学園――初学、中学を終えた学生たちの通う学園。
そこの校門の前にリオンは立っていた。
服装は以前とは随分違う、紺色のブレザーである。
動きにくいったら、ない。

それもこれも、あの酔っ払いの渡してきた手紙が問題だった。