第二話

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  「んまぁ立ち話もなんですし、入ろうか。誰か待ってるの?」 シャリアは学園の中に入ろうと足を進めながら言った。 そんな約束をしていた友達なんかいなく、ただぼーっとしていただけのリオンだったので、彼女について、校門をくぐった。 高等学園と中等学園の大きな違いは、その敷地にある。 中等学園もそれなりに大きいのだが、高等学園はその倍の大きさを裕に持っている。 危険な魔法や、恐ろしい研究を行っているらしいから当然ではあるのだが。 校門から校庭を横切り、歩いて五分。 ここまで昇降口が遠い学園も珍しいと思いながら、二人はたどり着いた。 「おっ。新クラス発表だってさ。一緒のクラスがいいなー」 シャリアはそんなことを言う。 かわいいとこあるじゃないかとか思いながら、リオンも頷くと、 「落ちこぼれが一人だと、私の立場がないんだよねー」 実にわかりやすい理由を暴露してくれた。 たまらずリオンは苦笑い。
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